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子猫の食事は、まず回数を決め、あとから量を割ります。
回数は生後2〜4ヶ月で1日4〜5回、4〜6ヶ月で3〜4回、6ヶ月以降で2〜3回が目安です。
量は RER=70×体重(kg)の0.75乗 に、4ヶ月までは約2.5の係数を掛けて出します。
以降は月齢とともに係数を下げます。
ただし、この計算値は出発点にすぎません。
そう書いているのは、式の出どころであるメルクマニュアル獣医版そのものです。
結論:先に「回数」を決め、あとから「量」を割る
回数と量、3行で全体像
検索してこのページに来た方が知りたいのは、たいてい次の3点です。
先に3行で示します。根拠はこのあと1つずつ出典を付けて説明します。
① 回数
離乳後〜4ヶ月は1日4〜5回、4〜6ヶ月は3〜4回、6〜12ヶ月は2〜3回。
どの月齢でも、1日1回にはしません。
② 量
RER=70×体重(kg)の0.75乗 を出し、月齢に応じた係数を掛けます。
4ヶ月までは約2.5、4〜6ヶ月は約2.0、7〜12ヶ月は約1.6が出発点になります。
③ 検証
その量が合っていたかは、週1回の体重測定でしか確かめられません。
計算した数字ではなく、増え方のほうが答えです。
量から先に決めようとすると、たいてい行き詰まります。
1日の必要量が同じでも、2回に分けるか5回に分けるかで1回の見た目がまったく変わるからです。
だから順番は、回数が先で量があとになります。
なぜ「子猫には1日◯g」と言い切れないのか
「うちの子には結局何グラムなのか」を知りたい気持ちは、よくわかります。
それでもこの記事は、単一の数字で答えません。
理由は、計算式の出どころ自身がそう書いているからです。
メルクマニュアル獣医版は、エネルギー要求量の表に脚注を付けています。
そこには「いかなるカロリー摂取量の計算も出発点にすぎず、その動物がどう反応したかに基づいて修正する必要がある」とあります。
式を提示している当事者が、式だけでは足りないと明言しているわけです。
同じことを、International Cat Care も書いています。
パッケージに書かれた給与量の表示は出発点として使い、理想体重とボディコンディションを保つように調整する、という説明です。
つまり「1日◯g」という数字は、答えではなく仮説です。
仮説を置いて、1週間与えて、体重で検証する。
この記事はその一連の手順を組み立てるために書いています。
この記事が扱う範囲と、扱わない範囲
扱うのは「どれだけ・何回」の2点だけです。
具体的には、必要カロリーの計算、月齢による係数の下げ方、ウェットとドライの換算、そして体重による検証です。
ふやかす湯温、出すときの温度、食べ残しの片づけ、1回分の切り出し方は扱いません。
そちらは 子猫のウェットフードの与え方|温度と衛生 にまとめました。
一方で、フードそのものの選び方には踏み込みません。
原材料や添加物の見方は 無添加キャットフードの選び方の記事 にまとめています。
「何を選ぶか」があちら、「どれだけ与えるか」がこちらという分担です。
また、食べないときの対処も別の話になります。
量が足りているかの判断はこの記事で扱いますが、原因の切り分けは扱いません。
食欲が落ちている場合は 猫がウェットフードを食べないときの記事 を先に読んでください。
子猫の場合は、成猫と同じ時間の目安を当てはめられません。
何時間で動物病院へ行くかは 子猫が食べない|何時間で受診か月齢別に解説 で扱っています。
1日の食事回数は、胃の小ささではなく「猫の代謝」で決まる
猫は1日に最大18回の少量摂取に適応している
「子猫は胃が小さいから少量ずつ」という説明を、多くの記事が採用しています。
間違いではありません。ただ、それだけでは回数の根拠になりません。
今回参照した資料には、子猫の胃容量の数値が1つも載っていないからです。
代わりに、資料が書いているのは代謝と行動の話です。
メルクマニュアル獣医版は、猫について次のように記述しています。
猫は少しずつ食べるように適応しており、1日に最大18回もの小さな食事をとる、という記述です。
そしてこの食べ方には、はっきりした帰結が示されています。
少量を何度も食べることで、ブドウ糖がゆっくり一定のペースで血中に放出されると書かれています。
回数を分ける理由は、胃の容積ではなくこちらにあります。
この違いは実用上も効いてきます。
「胃が小さいから」だけなら、体が大きくなれば回数を減らしてよいことになります。
ですが代謝の話なら、成猫になってからも1日1回にはしない、という結論が導かれます。
自由に食べられる環境の猫は、24時間で12〜20回に分けている
同じ現象を、別の資料が別の角度から確認しています。
全米研究評議会(NRC)の 『Your Cat's Nutritional Needs』(2006年)です。
ここには、フードに自由にアクセスできる状態に置かれた猫の行動が記録されています。
猫は1日に12〜20回に分けて食べ、その回数は24時間の明暗サイクルに均等に分散していた、という記述です。
夜中にも食べているということになります。
そのうえでNRCは、飼い主向けにひとつの原則を置いています。
「猫は1日1回より多く与えるべきである」という一文です。
回数の下限として、これがもっとも明快な基準になります。
野生の猫は、1日の半分を食べ物の探索に使っている
行動の側から見ると、回数の意味がさらにはっきりします。
International Cat Care は、野良猫の生活について具体的な数字を挙げています。
24時間のうち12時間以上を、食べ物の探索と捕獲に費やすという記述です。
猫は単独で狩りをする動物で、獲物は自分の体に比べてとても小さい。
1回の狩りで得られるカロリーが限られるため、何度も繰り返す必要があります。
1日18回という数字は、この生活の名残だと考えるとつながります。
同じ資料は、実務的な回数の目安も示しています。
1日の給与量を少なくとも5回に分け、24時間全体に散らして与えるという書き方です。
タイマー式の給餌器やフードパズルを使う方法も併記されています。
日本語の記事でよく見る「3〜4回」は、これと矛盾しません。
回数が多いほど本来の食べ方に近い、という方向は同じです。
3〜4回は現実的な下限、5回以上は理想に近い側、という位置づけになります。
月齢別の食事回数の目安
以上を、実際に運用できる形に落とすと次の表になります。
回数の根拠は、VCA Animal Hospitals の「1日の総給与量を3〜4回以上の少量に分ける」、International Cat Care の「少なくとも5回」、NRCの「1日1回より多く」の3つです。
| 月齢 | 1日の食事回数 | ポイント |
|---|---|---|
| 生後〜4週(授乳期) | 授乳 8〜12回 | 母乳またはキトンミルク。固形食はまだ不可 |
| 生後4〜8週(離乳期) | 4〜6回 | 離乳の開始は3〜5週齢。母乳と並行して進める |
| 生後2〜4ヶ月 | 4〜5回 | 1日のうちで最も要求量が大きい時期にあたる |
| 生後4〜6ヶ月 | 3〜4回 | 回数を減らすより、1回量を保つほうを優先する |
| 生後6ヶ月〜1歳 | 2〜3回 | 成長が落ち着く。それでも1日1回にはしない |
離乳の開始時期は、資料によって幅があります。
2021 AAHA/AAFP のガイドラインは3〜5週齢から、International Cat Care は3〜4週齢から、と書いています。
完了はいずれも約8週齢です。
成猫になってからの頻度は、また別の設計になります。
そちらは 猫のウェットフードの頻度の記事 で扱っています。
この記事は1歳までの範囲に絞ります。
量の計算式は2つある。子猫では、使ってはいけない方が広く使われている
メルクマニュアルが示している2つの式
必要カロリーの計算は、まずRER(静止時エネルギー要求量)を出すところから始まります。
これは、快適な温度で安静にしている健康な動物が必要とするエネルギーです。
そこに活動やライフステージに応じた係数を掛けて、1日の量にします。
メルクマニュアル獣医版は、RERの求め方を2つ示しています。
ひとつは累乗を使う指数式、もうひとつは掛け算と足し算だけで済む線形式です。
指数式 RER = 70 × 体重(kg) の 0.75乗
線形式 RER = 30 × 体重(kg) + 70
日本語圏でよく見かけるのは、後者の線形式のほうです。
電卓で累乗を打たなくてよいので、扱いやすいという事情があります。
動物病院の計算ツールや解説記事でも、この形が広く使われています。
線形式には「体重2kg超」という適用制限がある
ここが、この記事でいちばん伝えたい点です。
メルクマニュアルは、2つの式を対等には扱っていません。
原文にはこう書かれています。
the linear formula (RER = 30 × [body weight in kg] + 70) is restricted to use in animals that weigh > 2 kg(出典: Merck Veterinary Manual)
線形式は、体重2kgを超える動物に限って使うと明記されています。
上限も示されており、45kgまでとされています。
いっぽう指数式のほうには、こうした制限が付いていません。
問題は、子猫の大半がこの範囲の外にいることです。
生後2ヶ月なら体重は1kg前後、離乳したばかりなら500g台のこともあります。
つまり、いちばん使われている式が、いちばん当てはまらない相手に使われています。
体重別に、2つの式を並べてみる
どれくらいずれるのかを、実際に計算して並べます。
数字はいずれも上記2式に体重を代入しただけのものです。
| 体重 | 指数式 70×W^0.75 | 線形式 30×W+70 | 線形式のずれ |
|---|---|---|---|
| 0.5kg | 約42 kcal | 85 kcal | +104% |
| 1.0kg | 70 kcal | 100 kcal | +43% |
| 1.5kg | 約95 kcal | 115 kcal | +21% |
| 2.0kg | 約118 kcal | 130 kcal | +10% |
| 3.0kg | 約160 kcal | 160 kcal | ほぼ一致 |
2kgを超えたあたりで、2つの式はほぼ重なります。
線形式が「2kg超」に限定されているのは、そういう理由です。
制限は形式的なものではなく、外れると実際に大きくずれます。
体重1kgの子猫で+43%、0.5kgでは+104%です。
この差は、そのまま1日の給与量の差になります。
「計算どおり食べてくれない」の一部は、猫ではなく式の側の問題かもしれません。
だから、子猫では指数式を使う
結論はシンプルです。
体重が2kgに届いていない子猫には、指数式を使います。
メルクマニュアルは、指数式についてはすべての体重に適用できると書いています。
スマートフォンの電卓でも計算できます。
体重を入力し、0.75乗を求め、70を掛けるだけです。
累乗キーがない場合は、体重を3回掛けた値の4乗根を取る方法でも同じ結果になります。
なお、線形式そのものが誤りというわけではありません。
成猫や体重2kgを超えた子猫では、実用上の差はほとんど出ません。
問題になるのは、適用範囲を確認せずに小さな子猫に当てはめたときだけです。
係数は月齢で下がる — その根拠と、体重×月齢別の目安
メルクマニュアル:健康な子猫は RER × 2.5
RERは、あくまで安静時の値です。
成長期の子猫は、体を作るためにそれ以上のエネルギーを使います。
そこで係数を掛けます。
メルクマニュアル獣医版のエネルギー要求量の表には、健康な子猫=2.5 × RER と示されています。
体重1kgの子猫なら、70 × 2.5 = 175 kcal が1日の目安になります。
参考までに、同じ表の成猫の値も挙げておきます。
未避妊・未去勢の健康な成猫が 1.4 × RER、避妊・去勢済みが 1.2 × RER、太りやすい猫が 1.0 × RER です。
避妊去勢を経ると要求量が下がることが、係数の形ではっきり出ています。
ただし、メルクマニュアルは子猫について 2.5 の一律表記しか示していません。
月齢で段階的に下げる根拠は、この資料からは取れません。
それを持っているのが、次のFEDIAFです。
FEDIAF:月齢で段階的に下がる(基準は成猫のMER)
欧州ペットフード工業連合会(FEDIAF)の 栄養ガイドライン(2021年10月版)には、子猫の係数を月齢で区切った表があります。
Table VII-10 です。
| 月齢 | 係数(成猫MERに対して) |
|---|---|
| 4ヶ月齢まで | 2.0〜2.5倍 |
| 4〜9ヶ月齢 | 1.75〜2.0倍 |
| 9〜12ヶ月齢 | 1.5倍 |
ここで注意が要ります。FEDIAFの基準はRERではありません。
基準になっているのは、活動的な成猫の維持エネルギー要求量(MER)です。
数値としては 100 kcal × 体重(kg) の 0.67乗 とされています。
乗数が 0.75 ではなく 0.67 である点にも理由が示されています。
猫では同種内の体重差が犬ほど大きくないため、体表面積をより正確に反映する 0.67乗のほうが適している、という説明です。
Heusner の1991年の提唱が引かれています。
つまり、メルクの 2.5 と FEDIAF の 2.0〜2.5 は、同じ数字に見えて土台が違います。
掛ける相手が RER なのか成猫MERなのかで、答えは変わります。
係数だけを他所から借りてくると、この土台の違いが消えてしまいます。
NRC:離乳前と離乳後の「絶対値」
式や係数とは別に、絶対値で示している資料もあります。
NRCの『Your Cat's Nutritional Needs』です。
離乳前の子猫には、体重100gあたり1日20〜25kcal が必要だと書かれています。
体重1kgに換算すると、1日200〜250kcalにあたります。
この時期はまだ母乳やミルクが中心なので、実務上は授乳の回数の話になります。
離乳後については、表の形で示されています。
体重5ポンド(約2.3kg)の子猫で、1日約200kcal という数値です。
離乳前と比べると、体重あたりの要求量が大きく下がっていることがわかります。
この200kcalは、成長段階を細かく分けない平均値として置かれています。
体重2.3kg付近にいる子猫を、月齢に関係なく一点で切り取った数字です。
なぜこの前提が重要なのかは、次のH2で扱います。
体重×月齢別の1日給与量の目安
ここまでの式と係数を使って、実際の量に落とします。
下表の前提は次の3つです。数字はすべてこの手順から導いたものです。
① RERは指数式(70 × 体重の0.75乗)で計算しています。
② 係数は 2〜3ヶ月=2.5、4〜6ヶ月=2.0、7〜12ヶ月=1.6 を使っています。
2.5 はメルクマニュアルの値、以降の下げ方は FEDIAF の段階に沿わせたものです。
③ グラム数は、カロリー密度が100gあたり約85kcalのウェットフードに換算した参考値です。
使うフードのkcal表示が違えば、グラム数も変わります。
なお、下表はあくまで計算上の目安です。実際に与える量は、お使いのフードのパッケージに記載された給与量表示と、かかりつけの動物病院の指示を優先してください。
| 体重 | 2〜3ヶ月(×2.5) | 4〜6ヶ月(×2.0) | 7〜12ヶ月(×1.6) |
|---|---|---|---|
| 500g | 約104kcal / 約120g | — | — |
| 800g | 約148kcal / 約170g | — | — |
| 1.0kg | 約175kcal / 約200g | 約140kcal / 約165g | — |
| 1.5kg | — | 約190kcal / 約225g | 約152kcal / 約180g |
| 2.0kg | — | 約235kcal / 約275g | 約188kcal / 約220g |
| 3.0kg | — | — | 約255kcal / 約300g |
| 4.0kg | — | — | 約317kcal / 約370g |
この表を、NRCの「体重2.3kgで1日約200kcal」と比べてみてください。
表の2.0kg・4〜6ヶ月は約235kcal、7〜12ヶ月は約188kcalです。
ぴったり一致はしません。前提が違うので、一致しないほうが自然です。
NRCの200kcalは月齢を区切らない平均値、この表は月齢で係数を変えた計算値です。
どちらかが誤っているわけではなく、切り取り方が違います。
この「ずれ」がどこまで広がるのかを、次のH2で正面から扱います。
同じ子猫でも、権威ある資料の答えは200〜460kcalに割れる
体重2.3kgの子猫を、4つの資料で計算してみる
条件をそろえます。体重2.3kg、離乳済みの健康な子猫です。
この1匹について、4つの資料がそれぞれ何kcalと答えるかを並べます。
| 資料 | 1日のエネルギー | 計算の土台 |
|---|---|---|
| メルクマニュアル | 約327 kcal | RER(70×W^0.75)× 2.5 |
| FEDIAF | 約262〜437 kcal | 成猫MER(100×W^0.67)× 月齢別係数 |
| NRC | 約200 kcal | 離乳後の子猫の平均値(表の値) |
| AAHA/AAFP | 約184〜460 kcal | 体重1kgあたりの週齢・月齢別の値 |
下は約184kcal、上は約460kcal。2倍以上の開きがあります。
いずれも獣医療や栄養学の一次資料で、どれも真面目に作られたものです。
にもかかわらず、同じ1匹について答えが一致しません。
FEDIAFの幅は、月齢別の係数をすべて当てはめた結果です。
4ヶ月までなら約349〜437kcal、4〜9ヶ月なら約306〜349kcal、9〜12ヶ月なら約262kcalになります。
AAHA/AAFPの幅は、10週齢と10ヶ月齢という両端を取ったものです。
なぜ割れるのか — 4つの理由
数字の食い違いには、はっきりした理由があります。
4点に整理できます。
① 乗数が違う(0.75と0.67)
メルクは動物全般で広く使われる0.75乗を採用しています。
FEDIAFとNRCは、猫により適するとされる0.67乗を採用しています。
② 基準がRERかMERか
RERは安静時の値、MERは適度に活動している状態の維持量です。
掛ける相手が違えば、同じ「2.5倍」でも結果が変わります。
③ 線形式の適用範囲
2.3kgは線形式の下限(2kg)のすぐ上です。
この付近で線形式を使うと、誤差が大きく出ます。
④ 月齢を織り込むかどうか
NRCの200kcalは月齢を区切らない静的な平均値です。
AAHA/AAFPとFEDIAFは、月齢で大きく動く動的なモデルです。
④はとくに実務に効きます。
急成長のピークにある子猫に、平均値の200kcalをそのまま与えると足りなくなる可能性があります。
逆に、成長が落ち着いた10ヶ月齢に460kcalを当てはめれば与えすぎになります。
10週齢は体重1kgあたり200kcal、10ヶ月齢では80kcal
月齢の効き方を、もっとも端的に示しているのがAAHA/AAFPです。
2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelinesには、次の対比が書かれています。
10週齢の子猫:体重1kgあたり1日 200 kcal
10ヶ月齢の猫:体重1kgあたり1日 80 kcal
体重あたりの要求量が、8ヶ月ほどで2.5分の1になります。
体重は増えているのに、1kgあたりの必要量は下がっていく。
だから係数を月齢で下げる運用が必要になります。
同じ量を1年間与え続けると、後半で確実に過剰になります。
子猫のうちは「増やす」より「下げ忘れない」ほうが難しい、というのが実感に近いはずです。
そして、この割れ方こそが「計算値は出発点にすぎない」という結論の根拠です。
権威ある資料が2倍以上ちがう答えを出す領域で、単一の数字を断定するのは無理があります。
数字を1つ選ぶのではなく、範囲を持って始めて、体重で寄せていく。これが現実的な手順です。
ウェットとドライのカロリー換算 — 同じカロリーでも量が違う
水分含有量が、そもそもまるで違う
ウェットとドライを重さで置き換えることはできません。
含まれている水の量が、まったく違うからです。
メルクマニュアル獣医版は、次の数値を示しています。
- 缶詰のペットフード:水分 60%〜87%超
- 半生タイプ:水分 25%〜35%
- ドライフード:水分 3%〜11%
同じ資料は、この差が飲水量にも表れると書いています。
主に缶詰を食べている犬猫は、主にドライを食べている犬猫より飲水量が一般に少ない、という記述です。
食事から水分を摂っている分、水入れから飲む量が減るということになります。
2021 AAHA/AAFP のガイドラインも、水分の多い食事は猫全体の水分摂取の状態に大きく寄与する、と記述しています。
水分と体の関係については 猫の水分不足と腎臓の関係の記事 で詳しく扱っています。
換算の手順と、計算例
換算は、必ずカロリーを経由します。
グラムからグラムへ直接は変換できません。
AAHA/AAFPも、パッケージの目安量ではなくカロリーから逆算する手順を推奨しています。
- 1日の必要カロリーを出す(RER × 月齢の係数)
- そのうち何%をウェットで摂るかを決める
- ウェット分のカロリー ÷ そのフードのkcal/100g × 100 = ウェットのグラム数
- 残りのカロリー ÷ ドライのkcal/100g × 100 = ドライのグラム数
体重1.5kg・生後5ヶ月の子猫で計算してみます。
RERは約95kcal、係数2.0を掛けて1日約190kcalが出発点です。
ウェットで70%=133kcal → 133 ÷ 85 × 100 = 約157g
ドライで30%=57kcal → 57 ÷ 360 × 100 = 約16g
ここで使った85kcal/100gと360kcal/100gは、あくまで例示の数値です。
実際にはパッケージのkcal表示を読み取って入れ替えてください。
同じ「ウェット」でも、製品によってカロリー密度はかなり違います。
ウェット主体だと、量が大きく見える
上の計算で、ウェット157gとドライ16gが並びました。
グラム数だけ見ると、ウェットが10倍近くあります。
ですが、カロリーで見れば70%対30%です。
日本語の早見表の多くは、ドライ換算で作られています。
「3ヶ月で40〜60g」といった数字を、ウェットにそのまま当てはめると大幅に足りません。
早見表を使うときは、何を前提にした数字かを必ず確認してください。
逆の誤解もあります。
ウェットの器が大きく見えるので「与えすぎでは」と不安になるケースです。
水分が多いだけで、カロリーは計算どおりということが少なくありません。
International Cat Care は、ドライについて逆向きの注意を書いています。
ドライはエネルギー密度が高く、正しい量は見た目には少なく感じる、という指摘です。
そのうえで、計量する手間は2分もかからないとしています。
計算が合っていたかは、体重の増え方でしか確かめられない
週1回、同じ時間に量って記録する
計算した量が正しかったかどうかは、体重でしか判定できません。
毎週同じ曜日、同じ時間帯に量って記録します。
朝食前など、条件をそろえられるタイミングが向いています。
週あたりの増え方の目安は、次のとおりです。
- 生後2〜4ヶ月:週に 100〜150g 前後
- 生後4〜6ヶ月:週に 80〜100g 前後
- 生後6〜12ヶ月:週に 30〜60g 前後
この幅から大きく外れる週が2週続いたら、量を見直します。
1週だけの変動は、便や飲水のタイミングでも起こります。
点ではなく、線で見るのがコツです。
AAHA/AAFPも、体重の記録は変化を早期に捉えるための重要な手順だとしています。
診察のたびに体重・BCS・筋肉のコンディションを記録することを推奨しています。
家庭でも同じことを、週単位でやるイメージです。
目標は「最大の成長」ではなく「最適な成長」
ここで、多くの記事が触れていない論点に入ります。
「順調に増えている=正解」とは限らない、という話です。
VCA Animal Hospitals は、子猫の成長を2つに分けています。
optimal growth(最適な成長)と maximal growth(最大の成長)です。
optimal growth
過度な体重増加を避けながら、ゆっくり安定して成長させること。
成猫になったときに理想的な体つきになることを目標に置きます。
maximal growth
高エネルギーのフードや過剰な給餌、自由採食で、できるだけ速く成長させること。
VCAは、これが過体重・肥満のリスクを大きく上げると記述しています。
必要以上のカロリーは、成長速度を不必要に速めます。
その結果、過剰な脂肪組織が蓄積し、成猫時の体重に影響が残るとされています。
体重が目安の上限に張り付いている状態は、「順調」とは限りません。
AAHA/AAFPも同じ方向の指摘をしています。
肥満への対策は子猫の時期から始まる、という書き方です。
あわせて、避妊去勢が体重増加と関連することにも触れています。
30週で成猫の約80%、40週で成猫サイズ
成長のペースそのものにも目安があります。
VCAは、子猫の成長曲線について次のように書いています。
約30週齢で成猫サイズの約80%に達し、そこから成長が減速する。
約40週齢で成猫の体サイズに到達し、10〜12ヶ月齢までに成猫になる。
30週はおよそ7ヶ月、40週はおよそ9ヶ月です。
つまり、体づくりの大半は最初の7ヶ月で終わります。
係数を下げるタイミングが月齢で切られているのは、この曲線に対応しています。
VCAは、体重と年齢をプロットして成長曲線のパーセンタイルで追う方法も紹介しています。
「何グラム増えたか」ではなく「同じ帯を保てているか」で見る考え方です。
家庭では、記録を折れ線にするだけでも傾向がつかめます。
ボディコンディションスコア(BCS)の使い方
体重と並べて使いたいのが、体型の評価です。
Cornell Feline Health Center は、5段階または9段階のスケールで体重と筋肉量を評価するとしています。
9段階では5が理想です。
判定は触って行います。
理想の状態では、うっすらとした脂肪をはさんで肋骨が触れます。
肋骨の後ろにウエストのくびれが確認でき、腹部の脂肪は最小限です。
AAHA/AAFPは、より具体的な線引きを示しています。
BCS 6/9・7/9 は過体重、8/9以上は肥満という基準です。
上から見た写真と横から見た写真を残しておくことも推奨しています。
9段階の判定基準は、図で見るのがいちばん早いです。
WSAVAが猫用のチャートを公開しています(Body Condition Score - cat|WSAVA)。
印刷して冷蔵庫に貼っておくと、週1回の測定とセットで使えます。
食べすぎ・食べなさすぎのサインと、量が合わなくなる原因
食べすぎのサインと、直し方
給与量の目安は出発点です。
体型と行動を見ながら微調整していきます。
与えすぎているときには、次のようなサインが出ます。
- 脇腹がまん丸に張っている
- 肋骨が触りにくくなった(脂肪で覆われている)
- 食後に吐く、または軟便が続く
- 週の体重増加が、月齢の目安を大きく上回っている
NRCは、太っている状態の特徴として次を挙げています。
腰部・顔・四肢に厚い脂肪の沈着があり、腹部が明らかに丸みを帯びて膨らんでいる状態です。
触診と見た目の両方で判断します。
対処は、1日の総量を10〜15%減らして1週間様子を見るところから始めます。
成長期なので、いきなり大きく削ることはしません。
2週続けて改善が見られない場合は、かかりつけの動物病院に相談してください。
食べなさすぎのサインと、直し方
足りていないときのサインは、次のとおりです。
- 肋骨がはっきり見える、または背骨が浮き出ている
- 活気がなく、遊ぶ時間が減っている
- 週の体重増加が50g未満(生後2〜4ヶ月の場合)
- 便の量が極端に少ない
NRCは、痩せている状態を「触ると骨ばっている」と表現しています。
肋骨に脂肪がほとんどなく、肋骨のすぐ後ろが内側にくぼんでいる状態です。
そして、慢性的に足りない状態が続くと子猫では成長不全(stunted growth)が起こりうる、と記述しています。
量を増やすときも、一度に大きく変えません。
回数を1回増やして、1回量は据え置くという方法が扱いやすいはずです。
それでも増え方が戻らないなら、量ではなく別の原因を疑う場面です。
24時間まったく食べない場合は、様子を見る段階ではありません。
速やかに動物病院に相談してください。
食欲が落ちている原因の切り分けは 猫がウェットフードを食べないときの記事 にまとめています。
おやつ・トッピングは、1日のカロリーの10%まで
計算が狂う原因として、いちばん多いのがおやつです。
Cornell Feline Health Center は、明確な上限を示しています。
おやつが1日の摂取カロリーの10〜15%を超えないようにする、という記述です。
この記事では、余裕を見て10%を基準に置くことをおすすめします。
体重1kgの子猫が1日175kcalなら、おやつは17kcal程度までという計算です。
ペースト状のおやつ1本でも、意外と大きな割合を占めます。
Cornellは、おやつが栄養的に完全でバランスの取れたものではないことを理由に挙げています。
だから「時々」にとどめる、という立て方です。
あわせて、生肉と牛乳をおやつとして与えることは推奨していません。
牛乳については、多くの猫が乳糖を分解しにくいことが理由とされています。
「猫にミルク」という一般的なイメージとは、食い違う部分です。
量が把握できなくなる、3つの要因
計算どおりに与えているつもりでも、実際の摂取量がずれることがあります。
資料が指摘している要因は、大きく3つです。
1つめは、自由採食です。
ここは資料が割れています。NRCは、無制限にアクセスできる状態では約30〜40%の猫が過食して太るとしています。
VCAも、自由採食は体脂肪の増加リスクを高め、定量給餌のほうが体重管理の機会を与えると書いています。
いっぽうメルクマニュアルは、エネルギー要求量の表の脚注で「子猫は自由採食で育てることもできる」と選択肢として認めています。
両方が一次資料である以上、どちらか一方を正解として書くことはできません。
ただ、量を把握したい局面では定量給餌のほうが扱いやすい、とは言えます。
2つめは、サプリメントの追加です。
VCAは、獣医師に確認せずにビタミンやミネラルのサプリメントを足さないよう書いています。
目的に合わせて作られた子猫用フードには必要なものが入っている、という理由です。
メルクマニュアルは、より具体的なリスクを挙げています。
無計画なミネラルの追加は栄養素同士の相互作用でバランスの不均衡を招き、吸収を妨げることがある、という記述です。
カルシウムの過剰摂取は、成長期の子猫で骨格の成長異常を誘発しうるとも書かれています。
3つめは、多頭飼育です。
複数の猫が同じ場所で食べていると、誰がどれだけ食べたかがわからなくなります。
AAHA/AAFPは、一見仲良く見えても、片方がもう片方のフードや水へのアクセスを密かに妨げているケースがあると指摘しています。
International Cat Care は、猫が本来は単独で狩りをして食べる動物であることを踏まえた提案をしています。
家の中に2〜3箇所の給餌エリアを作り、互いに見えない場所で与えるという方法です。
Cornellも、騒音やトイレ、他の動物の存在が食事の妨げになると書いています。
なお、ここまでは「どれだけ与えるか」の話です。
「何を選ぶか」については 無添加キャットフードの選び方の記事 をご覧ください。
量の設計と、フードの選択は別の作業になります。
熊野灘のお魚ごはんは、この計算のどこに置けるのか
栄養成分表示(100gあたり)エネルギー86kcal
ここからは、NICO-LS(ニコルス)のパッケージに書かれている事実の話に切り替えます。
前の章までの一般的な栄養学の説明とは、分けて読んでください。
パッケージには、食品表示法の様式による栄養成分表示があります。
100gあたりの数値は次のとおりです。
エネルギー 86kcal/たんぱく質 17.4g/脂質 1.8g/炭水化物 0g/ナトリウム 172mg
この記事の換算表で例示に使った「85kcal/100g」と、ほぼ同じ水準です。
水分を多く含む食事のカロリー密度が、実際にこの範囲に収まることの一例になります。
カロリー密度が低いと、同じカロリーでもグラム数が大きくなる
100gあたり86kcalという値を、ドライフードと並べてみます。
ドライは製品にもよりますが、100gあたり350〜400kcal程度のものが一般的です。
単純に割れば、同じカロリーを摂るのに4倍前後のグラム数が要ることになります。
これは欠点ではなく、水分含有量の違いがそのまま表れているだけです。
メルクマニュアルの数値でいえば、缶詰は水分60%〜87%超、ドライは3%〜11%でした。
差の大部分は水です。
実務上の意味は、はっきりしています。
グラム数が大きくなるぶん、1回で出す量も大きくなるということです。
だからこそ、この記事の前半で扱った「回数に分ける」設計が効いてきます。
器に大量に見えるからといって、与えすぎとは限りません。
逆に、ドライと同じグラム数で出せば足りません。
判断は必ず、グラムではなくカロリーで行ってください。
こちらから線を引きます
ここは、書かないことを先に書いておきます。
この記事では、NICO-LSの商品を「1日の給与量」の枠には置きません。
理由は2つあります。
1つめは、表示上の理由です。
パッケージには目的表示(総合栄養食・間食などの区分)が確認できていません。
目的表示のない商品を、1日の必要カロリーを満たす主食として計算に組み込むことはできません。
2つめは、栄養設計上の理由です。
FEDIAFのガイドラインには、加熱処理に関する注意が書かれています。
加熱処理されたウェットフードは、押出成形のドライ(0.1% DM)の約2〜2.5倍のタウリンを含む必要があるという記述です。
理由は、加熱によってタウリンの生体利用性が下がるためだとされています。
タウリンは猫にとって必須の栄養素です。
つまり、加熱した単一素材のウェットだけで1日の栄養を組み立てるのは、設計として無理があるということになります。
これは自社商品にとって不利な話です。
それでも書いておくのは、量の設計を誤らせないためです。
1日の必要カロリーは、目的表示のあるフードを軸に組み立ててください。
そのうえで、書けること
では何が言えるのか。パッケージと商品ページで確認できる事実だけを並べます。
- 三重県熊野灘産・国産天然魚(パッケージに表示)
- 原材料は「季節のお魚」のみ
- 水揚げから12時間以内に真空パック
- 無加水調理(水を加えず、魚自身の水分で炊き上げる)
- 加熱加圧調理で、骨までやわらかく仕上げている
- 保存料・着色料・香料・増粘剤は使用していない
- 内容量 65〜80g/パック、未開封・常温で12ヶ月
- 製造元:㈱ゲイト 三重県熊野市二木島町530-3
1パックが65〜80gという単位は、この記事のテーマと相性があります。
開けた分を数回に分けて使う、という運用がしやすい大きさだからです。
回数を分けたいときに、器に出す単位として扱いやすくなります。
香りが広がる【切り身】タイプ は、その1パック単位の商品です。
与える量そのものは、お使いの主食のパッケージ表示とかかりつけの動物病院の指示に従って決めてください。
よくある質問
Q1. 子猫にご飯が足りていないサインは何ですか
最も確実な指標は、週あたりの体重の増え方です。
生後2〜4ヶ月で週50g未満しか増えていないなら、量を見直す場面です。
生後4〜6ヶ月なら週80〜100g、6〜12ヶ月なら週30〜60gが目安になります。
体型では、肋骨がはっきり見える、背骨が浮き出ているといった状態が該当します。
NRCは、痩せている猫について「触ると骨ばっていて、肋骨のすぐ後ろが内側にくぼんでいる」と記述しています。
あわせて、活気や遊ぶ時間が減っていないかも見てください。
Q2. 生後2ヶ月の子猫に、1日何グラム与えればいいですか
月齢だけでは決まりません。体重が必要です。
手順は3ステップです。
① RER = 70 × 体重(kg) の0.75乗 を出す
② 2ヶ月なら係数2.5を掛けて、1日のカロリーにする
③ そのカロリー ÷ フードのkcal/100g × 100 で、グラム数を出す
体重1kgなら、70 × 2.5 = 175kcalです。
100gあたり85kcalのウェットなら約200g、100gあたり380kcalのドライなら約46gという計算になります。
この数字は出発点で、実際の量はパッケージの給与量表示と動物病院の指示を優先してください。
Q3. 生後4ヶ月の子猫は、何時間おきに与えればいいですか
生後4〜6ヶ月なら1日3〜4回が目安なので、起きている時間で割ると6〜8時間おきになります。
ただし、時間の等分にこだわる必要はありません。
International Cat Care は、24時間全体に散らして与えることを推奨しています。
自由に食べられる環境の猫は、明暗サイクルに均等に分散して12〜20回食べるとNRCが記録しています。
夜間の分をタイマー式の給餌器でカバーする、という方法もあります。
Q4. 生後3ヶ月で1日2回にしても大丈夫ですか
推奨はできません。
VCAは、ほとんどの子猫は1日の総給与量を3〜4回以上の少量に分けるとうまくいくと書いています。
International Cat Care は、少なくとも5回に分けることを勧めています。
回数を減らすと、1回に出す量が増えます。
とくにウェット主体だと器の量が大きくなり、食べ残しにつながりやすくなります。
生活の都合で回数を確保しにくい場合は、タイマー式の給餌器やフードパズルの活用を検討してください。
どうしても難しい場合でも、1日1回にはしないでください。
NRCは「猫は1日1回より多く与えるべきである」と明記しています。
Q5. 子猫にご飯をあげすぎると、どうなりますか
VCAは、成長を「最適な成長」と「最大の成長」に分けています。
過剰な給餌や自由採食でできるだけ速く成長させると、過体重・肥満のリスクが大きく上がるという記述です。
必要以上のカロリーは、成長速度を不必要に速めます。
その結果として過剰な脂肪組織が蓄積し、成猫になったときの体型に影響が残るとされています。
Cornellも、肥満は猫における最も一般的な栄養関連の問題だと書いています。
「たくさん食べて大きく育つ=よいこと」とは限らない、というのがこれらの資料の立場です。
週あたりの増え方が目安の上限に張り付いているなら、一度量を見直してみてください。
Q6. 計算した量を、そもそも食べてくれません
まず、使った式を確認してください。
体重が2kgに届いていない子猫に線形式(30×体重+70)を使っていると、量が多めに出ます。
体重1kgで+43%、0.5kgで+104%のずれになります。
指数式(70×体重の0.75乗)に置き換えるだけで、目安が現実的な水準に下がることがあります。
そのうえで、メルクマニュアルが書いているとおり、計算値は出発点にすぎません。
週1回の体重が目安の範囲で増えているなら、多少食べ残しても問題ない場面です。
ただし、24時間まったく食べない場合は別の話になります。
その場合は量の調整ではなく、動物病院への相談が先です。
Q7. ウェットフードだけで足りますか
「ウェットかドライか」ではなく、そのフードに目的表示があるかで判断してください。
1日の栄養を任せられるのは、成長期の要求を満たすと表示されている製品です。
形状ではなく、表示が判断材料になります。
加えて、FEDIAFの記述も参考になります。
加熱処理されたウェットフードは、ドライ(0.1% DM)の約2〜2.5倍のタウリンを含む必要がある、という指摘です。
加熱でタウリンの生体利用性が下がることが理由とされています。
つまり、加熱した単一素材のウェットだけを1日の栄養の柱にするのは避けたほうがよいということになります。
目的表示のあるフードを軸に置き、そのうえで組み立ててください。
この記事のまとめ
① 先に回数を決める。
離乳後〜4ヶ月は4〜5回、4〜6ヶ月は3〜4回、6〜12ヶ月は2〜3回。1日1回にはしません。
② 量は指数式と月齢の係数で出す。
RER=70×体重の0.75乗に、2.5 → 2.0 → 1.6 と下げていく係数を掛けます。
体重2kg未満の子猫に線形式を使うと、量が大きく出ます。
③ 正解かどうかは、週1回の体重でしか確かめられない。
権威ある資料同士でも答えが2倍以上割れます。計算値は仮説、体重が検証です。
この記事が渡したかったのは、正解の数字ではなく手順です。
回数を決め、量を仮に置き、1週間後に体重で答え合わせをする。
この輪を回せるようになれば、月齢が変わっても自分で調整できます。
NICO-LS(ニコルス)のお魚ごはん
三重県熊野灘の季節の天然魚を、水を加えずに炊き上げる無加水調理。
加熱加圧調理で、骨までやわらかく仕上げています。
保存料・着色料・香料・増粘剤は使用していません。原材料は「季節のお魚」のみです。
1パック65〜80g、未開封・常温で12ヶ月保存できます。
- 《初回限定おためし980円》切り身&小魚パック — 2種類を少量から
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。給与量の最終的な判断は、お使いのフードのパッケージ表示と、かかりつけの動物病院の指示に従ってください。
監修:NICO-LS開発チーム