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子猫のキャットフード選びは、成分の良し悪しを見比べる作業ではありません。
容器に表示が義務づけられた項目を、決まった順番で確認する作業です。
見るのは6か所。①目的表示 ②成長段階 ③証明方法 ④与え方 ⑤原材料 ⑥賞味期限・原産国・事業者名。
この順で見れば、原材料欄にたどり着く前にほとんどが決まります。

意外に思われるかもしれません。
多くの記事が「まず原材料の最初の3つを見よ」と書いているからです。
ところが世界の獣医栄養の選定ガイドラインには、原材料表示に関する項目が1つもありません。
この記事は、その落差を一次資料で確かめていきます。

扱うのはラベルの判読だけです。
栄養学の解説でも、与え方の手順でもありません。
「この表示があるか/ないか」「あるならどの区分か」という二値の判定に徹します。

先に手順だけ知りたい方は 見る順番のセクション へ。
「分析試験」と「給与試験」の違いを知りたい方は 証明方法のセクション へ進んでください。


買う前に見るのは、パッケージの6か所だけ

パッケージの裏面を手に取るところ
見るのは裏面の6か所

見る順番を決めてしまう

店頭で袋を裏返したとき、どこから読むかを決めておくと迷いません。
おすすめの順番は次のとおりです。

  • ① 目的表示 — 総合栄養食か、間食か、療法食か、その他の目的食か
  • ② 成長段階 — どのライフステージ向けと書いてあるか
  • ③ 証明方法 — 分析試験で証明したのか、給与試験で証明したのか
  • ④ 与え方 — 体重ごとの給与量なのか、給与限度量なのか
  • ⑤ 原材料 — 個別名で書いてあるか、分類名でまとめてあるか
  • ⑥ 賞味期限・原産国・事業者名 — 保存条件と、誰が作って誰が売っているか

この6つは、思いつきで並べたものではありません。
日本の制度が容器への記載を求めている項目そのものです。
順番だけを、購入判断に使いやすい形に組み替えています。

なぜ原材料欄が5番目なのか

この順番のいちばんの特徴は、原材料欄が後ろにあることです。
理由は単純で、①〜④でふるい落とせる量が圧倒的に多いからです。

目的表示が「その他の目的食」なら、その一袋は主食になりません。
成長段階が「成猫期(維持期)」なら、子猫の主食には向きません。
この2つを見るだけで、棚の大半は判定が終わります。

原材料欄を睨むのは、そこを通過したものだけで十分です。
しかも後で見るように、原材料の並びから読み取れることは、思っているより少ないのです。

日本には2つのルールが重なっている

ここで、制度の骨格を一度だけ整理しておきます。
日本のペットフードの表示には、性質の違う2つのルールが重なっています。

ルール 性質 求めている表示
ペットフード安全法 法令。すべての事業者が対象 5項目(名称/賞味期限/原材料名/原産国名/事業者の氏名又は名称及び住所)
ペットフードの表示に関する公正競争規約 業界の自主ルール 9項目(上の5項目+目的/内容量/与え方/成分)

安全法の5項目は ペットフード安全法に基づく必要表示事項について|ペットフード公正取引協議会 に、規約の9項目は 公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限について|同協議会 にまとまっています。
制度全体の入口は ペットフードの安全確保|農林水産省 です。

差分の4つに注目してください。
目的・内容量・与え方・成分は、規約側にしかありません。
法令だけを守っている商品には、これらが書かれていない可能性があるということです。

この事実は、記事の後半でもう一度出てきます。
「目的表示のない商品」が現実に存在しうる理由が、ここにあるからです。
私たち自身の商品も、その一例です。詳しくは 最後のセクション で書きます。

先に、判断材料にならない言葉を外しておく

パッケージの表面には、規制のない言葉もたくさん並んでいます。
世界小動物獣医師会(WSAVA)の選定ガイドラインは、こう述べています(出典: Guidelines on Selecting Pet Foods|WSAVA Global Nutrition Committee, 2021)。

"Marketing terms and unregulated terms such as 'holistic' or 'premium' ... is of little practical value for nutritional assessment."

(訳)「ホリスティック」「プレミアム」のような、規制されていないマーケティング上の言葉は、栄養面の評価にはほとんど実用的な価値がない。

米国飼料検査官協会(AAFCO)も、同じ方向のことを書いています。
選ぶときの鍵は、裏面や側面の小さな文字のほうにあるという指摘です(出典: Selecting the Right Pet Food|AAFCO)。

"The nutritional adequacy statement—usually found in small print on the back or side of pet food packaging—is the key"

(訳)栄養充足に関する記載は、たいていパッケージの裏面か側面に小さな文字で書かれているが、それが鍵になる。

表面の大きな文字は、選ぶための情報ではありません。
裏返して、小さな文字を読む。
この記事の全体は、その一点に集約されます。


① 目的表示 — この一袋を主食にしてよいかは、ここで決まる

真空パックされた小魚と切り身
パッケージ。目的表示があるかどうかは、ここで確かめる

目的表示は4つに分かれている

最初に見るのは、目的表示です。
公正競争規約は、ペットフードを目的によって4つに分類しています(出典: ペットフードの目的について|ペットフード公正取引協議会)。

目的表示 位置づけ あわせて書かせているもの
総合栄養食 毎日の主要な食事 対応する成長段階/体重ごとの給与量と給与回数/分析で証明したか給与試験で証明したか
間食 おやつ・ご褒美 給与限度量
療法食 特定の疾患に対する食事管理 獣医師の指導のもとで使う旨
その他の目的食 上の3つ以外すべて 別途栄養補給が必要な旨、または同時に与えるフードの名称

子猫の主食になりうるのは、原則として総合栄養食だけです。
残りの3つは、それぞれ別の役割を持っています。
ここを取り違えると、あとの判断がすべてずれます。

「総合栄養食」の定義を、規約の原文で読む

総合栄養食という言葉は、雰囲気で使われがちです。
規約は、はっきりと定義しています(出典: 総合栄養食とライフステージについて|ペットフード公正取引協議会)。

「毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフード及び水のみで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養的にバランスのとれたもの」

この定義の核心は「及び水のみで」の5文字です。
ほかに何も足さずに、それと水だけで健康を保てる。
その約束をしているのが総合栄養食です。

もうひとつ、「指定された成長段階における」という限定にも注目してください。
総合栄養食は、どの猫にも万能という意味ではありません。
成長段階とセットでしか意味を持たない表示です。

ここで、少し見方を変えてみます。
規約上、「総合栄養食」と表示できるのは次の条件を満たしたものです。

  • 分析試験または給与試験で、基準を満たすことを証明していること
  • ペットフード公正取引協議会への届け出を行っていること
  • 同協議会の会員であること

つまりこの4文字は、「栄養が優れている」という等級ではありません。
「この製品はこの手続きを通りました」という記録です。
制度への参加の証しであって、品質の順位づけではないということです。

この見方は、読者がすべきことも変えます。
「総合栄養食と書いてあるものを買う」ではありません。
「主食にする一皿にはこの記録があるものを選び、記録のないものは主食にしない」という役割の切り分けです。

店頭でいちばん混乱するのは「その他の目的食」

実際に棚で迷うのは、総合栄養食ではありません。
「その他の目的食」に属する商品の言い回しが、6通りもあるためです。
規約は次の表記を認めています。

  • 一般食(おかずタイプ)
  • 一般食(総合栄養食と与えてください)
  • 栄養補完食
  • カロリー補完食
  • 副食
  • サプリメント

言葉づかいは違いますが、位置づけは同じです。
6つとも「これだけでは1日の栄養を満たせない」側にあります。
だからこそ、別途栄養補給が必要な旨か、同時に与えるフードの名称を併記させています。

「栄養補完食」と書いてあると、栄養が多いように読めるかもしれません。
意味は逆です。
足りない分を別のフードで補ってください、という表示です。

主食でないものは、1日の1割まで

では、主食にならないフードはどれくらい与えてよいのでしょうか。
WSAVA のガイドラインに、はっきりした数字があります。

"foods labeled for 'short-term', 'intermittent' or 'complementary' feeding ... should make up no more than 10% of the total diet"

(訳)「短期間」「断続的」「補完的」な給与を目的として表示されたフードは、食事全体の10%を超えないようにすべきである。

米国の獣医大学の資料も、近い数字を示しています。
コーネル大学の猫の健康センターは、おやつを総摂取カロリーの10〜15%以内としています(出典: Feeding Your Cat|Cornell Feline Health Center)。
本記事では、より控えめな10%を目安として扱います。

日本の制度でも、同じ考え方が表示に落とし込まれています。
間食には給与限度量の記載義務があります。
その他の目的食には、併記の義務があります。

この「主食ではない」という位置づけは、日本だけのものではありません。
AAFCO のラベル解説には、次の定型文があります(出典: Reading Labels: How to Understand a Dog or Cat Food Label|AAFCO)。

"This product is intended for intermittent or supplementary feeding only"

(訳)この製品は、断続的または補助的な給与のみを目的としています。

興味深いのは、AAFCO が挙げている具体例です。
「必要なビタミンやミネラルを含まない、猫向けに売られているツナ缶」を例に出しています。
おいしくて猫が喜ぶものほど、この側に置かれやすいということです。

日本の「その他の目的食」と、米国のこの一文は同じ位置にあります。
制度の言葉づかいは違っても、線の引き方は共通しています。


② 成長段階の表示 — 「子猫用」ではなく、どの区分かを見る

規約が定める5つの区分

目的表示が総合栄養食だったら、次は成長段階を見ます。
規約は、成長段階を5つの区分で表示させています。

区分 別の言い方 子猫に使えるか
哺乳期 — ◯(授乳期の子猫向け)
幼犬・幼猫期 成長期/グロース ◯(離乳後の子猫の中心)
成犬期・成猫期 維持期/メンテナンス ×
妊娠期・授乳期 — ×(母猫向け)
全成長段階 オールステージ ◯(哺乳期以外を網羅)

「子猫用」という言葉は、この5区分のどれでもありません。
商品名やキャッチコピーとして使われている言葉です。
探すべきなのは、区分名のほうだということです。

「全成長段階」は、成長期の基準で作られている

5区分でいちばん誤解されやすいのが「全成長段階」です。
「どのステージでも同じくらい合っている」という意味ではありません。
AAFCO の解説は、こう説明しています。

「全成長段階(all life stages)」の製品は、繁殖期と成長期の栄養要求に合わせて設計されています。
つまり中身は、いちばん要求の高い段階に合わせてあります。
だから子猫にも使える、という順序です。

この含意は、子猫を飼っている人にとっては追い風です。
同時に、注意点も生みます。
同じものを成猫に長く使うと、その猫にとっては過剰になりうるということです。

なお、いつ成猫用へ切り替えるかという移行の手順は、本記事では扱いません。
ここで押さえるのは、区分名の読み方だけです。

輸入品を手に取ると、英語の区分名が出てきます。
対応は次のとおりです。

英語(AAFCO) 日本(公正競争規約)
growth 幼猫期/成長期/グロース
maintenance 成猫期/維持期/メンテナンス
gestation / lactation 妊娠期・授乳期
all life stages 全成長段階/オールステージ

英語のラベルでは、この語が「nutritional adequacy statement」の中に埋め込まれています。
製品名のあとに続く、for のあとの語がそれです。
次のセクションで、その文の形をそのまま見ます。

区分が違うと、栄養設計そのものが違う

区分名を見るべき理由は、数字にも表れています。
AAFCO の猫用の栄養プロファイルでは、たんぱく質の最低値が段階ごとに違います。

成長・繁殖期は乾物中30%以上、成猫の維持期は26%以上とされています(出典: Nutritional Requirements of Small Animals|MSD Veterinary Manual)。
同じ「総合栄養食」でも、中身の設計は別物だということです。

欧州には、また別の基準体系があります。
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)が栄養ガイドラインを公表しています(出典: FEDIAF Nutritional Guidelines 2025)。
AAFCO だけが世界の基準ではありません。

成長期用は、いつまで必要か

成長期の表示を探す期間にも、目安があります。
猫は生後30週で成猫サイズの約80%に達し、生後10〜12か月で成猫として成熟します(出典: Feeding Growing Kittens|VCA Animal Hospitals)。

つまり成長期用の表示が要るのは、おおむね最初の1年です。
ただし品種や個体で幅があります。
切り替えの判断は、体格と獣医師の助言をもとにしてください。


③ 分析試験か、給与試験か — ほとんど誰も見ていない一行

日本のパッケージにも、証明方法が書いてある

ここが、この記事でいちばん伝えたい場所です。
総合栄養食のパッケージには、その根拠をどう証明したかが書かれています。
規約は、次のように定めています。

「総合栄養食の基準を満たしていることが分析によって証明されているか、給与試験によって証明されているかを、定められた方法で記載する」

知っている人は多くありません。
けれども、書いてあることは決まっています。
「分析試験」か「給与試験」、あるいはその両方という2語です。

2つの方法は、何を確かめているのか

2つの方法は、確かめている対象が違います。

方法 何を見るか 確かめられること
分析試験 フードの成分 必要な栄養素が、基準の数値を満たして入っていること
給与試験 実際に食べた猫 実際に食べて消化吸収し、健康が維持されること

分析試験は、設計と製造の側を確かめます。
給与試験は、食べた結果の側を確かめます。
どちらも基準を満たす証明として認められています。

英語のラベルでは、3つの定型文になる

米国のラベルでは、同じことが決まった英文で書かれます。
AAFCO はこの文について、こう述べています。

"The nutritional adequacy statement is perhaps the most important part of a label."

(訳)栄養充足に関する記載は、おそらくラベルの中でもっとも重要な部分である。

その定型文は3つあります。
空欄の1つ目に製品名、2つ目に対象のライフステージが入ります。

① 配合・分析による実証
"___ is formulated to meet the nutritional levels established by the AAFCO Cat Food Nutrient Profiles for ___."
(訳)___ は、___ 向けのAAFCOキャットフード栄養プロファイルが定める栄養レベルを満たすように配合されています。

② 給与試験による実証
"Animal feeding tests using AAFCO procedures substantiate that ___ provides complete and balanced nutrition for ___."
(訳)AAFCOの手順による給与試験が、___ が ___ にとって完全でバランスの取れた栄養を提供することを実証しています。

③ ファミリー製品による実証
"___ provides complete and balanced nutrition for ___ and is comparable to a product which has been substantiated using AAFCO feeding tests"
(訳)___ は ___ にとって完全でバランスの取れた栄養を提供し、AAFCOの給与試験で実証された製品と同等です。

①が日本の「分析試験」に、②が「給与試験」に対応します。
③は、給与試験を通った別の製品と同等であることを根拠にする書式です。
AAFCO 自身が「あまり多くは使われていない」と注記しています。

③で注意したいのは、同等(comparable)であって同一ではないという点です。
試験そのものを通ったのは、別の製品のほうだということになります。

どちらが「上」なのか — 資料はそう書いていない

ここで多くの人が知りたいのは、優劣でしょう。
正直に書きます。
どちらが優れているとは、今回参照したどの資料にも書かれていません。

書けることは3つです。
ひとつ目。給与試験は「実際に食べさせた」という追加の情報を持ちます。
WSAVA も、実証が給与試験によるのか配合によるのかを確認せよと明記しています。

ふたつ目。配合による実証が劣るとは、どの資料も書いていません。
WSAVA が問題にしているのは、方式そのものではありません。
基準への適合をデータベース上の計算で判断しているのか、完成品の化学分析で確認しているのかという品質管理の粒度のほうです。

みっつ目。だから、パッケージの2語だけで優劣は決められません。
決められるのは一点だけです。
その製品がどちらの手続きを通ったのかを、買う前に知ることができる。

項目 米国(AAFCO) 日本(公正競争規約)
主食の呼称 complete and balanced 総合栄養食
実証方法 配合/給与試験/ファミリー製品の3書式 分析試験/給与試験(両方も可)
表示の中身 nutritional adequacy statement 目的表示+成長段階+証明方法
運用の主体 州の飼料管理官(AAFCOはモデル規則) 公正取引協議会(届け出制・会員が表示)
主食でないもの intermittent or supplementary feeding only 間食(給与限度量)/その他の目的食(併記)

見比べると、両者はよく似ています。
違いは、日本側に届け出と会員資格という条件が加わる点です。
この一点が、日本の「総合栄養食」を制度の記録たらしめています。


④ 与え方の表示 — 数字そのものより「誰向けの数字か」

目的表示によって、書かれる数字の意味が変わる

与え方の欄には、目的表示に応じて別々のものが書かれます。
ここを混同すると、まったく違う量を与えてしまいます。

  • 総合栄養食 — 体重ごとの給与量と給与回数
  • 間食 — 給与限度量(これ以上与えないでほしい上限)
  • その他の目的食 — 別途栄養補給が必要な旨、または同時に与えるフードの名称

総合栄養食の数字は「これだけ与えてください」という目安です。
間食の数字は「ここまでにしてください」という上限です。
同じ数字でも、向きが逆だということです。

「全成長段階」の製品は、段階ごとに量が分かれているか

与え方の欄には、もうひとつ見るべき点があります。
「全成長段階」と表示された製品の場合です。

AAFCO は、all life stages の製品について、成長期・妊娠授乳期・維持期それぞれの給与量を示すことになっていると説明しています。
逆にいえば、そこが分かれていない表示は、想定が粗いということになります。

子猫に与えるなら、見るのは成長期の行です。
維持期の行を読んでしまうと、必要量に届きません。
表の中で自分がどの行にいるのかを、必ず確認してください。

表示は「出発点」であって、答えではない

給与量の数字は、そのまま従うためのものではありません。
国際的な猫の団体は、はっきりと出発点(starting point)という言葉を使っています(出典: Feeding your cat or kitten|International Cat Care)。

AAFCO も同じ立場です。
表示の量から始めて、体重の増減を見ながら調整するとしています。
個体差があるので、表の数字が最終解にはなりません。

この記事では、具体的な量の決め方には踏み込みません。
安静時のエネルギー要求からの計算や、体重別の給与量表は扱わない範囲です。
実際に与える量は、パッケージの給与量表示とかかりつけの獣医師の指示を優先してください。

ここで確認したいのは、あくまで表示の読み方です。
その数字が誰向けの数字なのかを見分けられれば十分です。


⑤ 原材料表示 — 順序で分かること・分からないこと

パッケージ裏の原材料欄
原材料の順序は「見る場所」であって「判定の基準」ではない

順序のルールそのものは、はっきりしている

原材料欄のルールは明快です。
規約は次のように定めています(出典: 原材料について|ペットフード公正取引協議会)。

「添加物以外の原材料と添加物に分け、添加物以外の原材料を使用量の多い順に記載、次に添加物を記載する。」

日本の表示は、まず添加物以外を重量順に並べます。
そのあとに添加物が続きます。
途中で区切りが1つ入っているのが日本式です。

添加物のうち6分類は、用途名もあわせて書かせています。
甘味料・着色料・保存料・増粘安定剤・酸化防止剤・発色剤の6つです。
物質名だけでは何のために入っているか分からないので、用途を添えさせる仕組みです。

この6つが選ばれている理由は、制度の意図から読み取れます。
買うときに用途を知る必要が高いものだからです。
逆にいえば、それ以外は名前だけで並ぶということでもあります。

同じフードが、3通りの書き方を選べる

ここから、順序の限界の話に入ります。
日本の規約は、分類表示を認めています。
「穀類」「肉類」「魚介類」のように、まとめて書いてよいということです。

結果として、同じ中身のフードでも書き方が3通りあります。

  • 個別名だけで書く — 原材料名をひとつずつ、多い順に並べる
  • 分類名に個別名を添えて書く — 「穀類(…、…)」の形
  • 分類名だけで書く — 「穀類」「肉類」とだけ書く

なお、分類表示の場合も順序のルールは同じで、重量の多い順に並びます。
問題は粒度のほうです。
分類名だけの表示と個別名の表示を横に並べても、比較にはなりません。

規約の分類表には、魚介類の項目もあります。
そこには「その形態を表す小魚、しらす」「その肉質を表す白身魚、青魚」といった書き方も含まれています。
つまり「小魚」の一語が、原材料名として成立するということです。

「最初の3つを見よ」に、一次資料の裏づけはあるか

「原材料の最初の3つを見れば分かる」という助言をよく見かけます。
今回、その根拠を一次資料に探しました。
見つかりませんでした。

機関 原材料の順序について書いていること
AAFCO 重量順のルールは明記。ただし「最初のN個」という基準は示していない
WSAVA 選定の8項目に、原材料表示に関するものが1つもない
公正取引協議会 表示順のルールと分類表は詳細に定めるが、消費者向けの「N個」助言はない

誤解のないように書いておきます。
「順序を見るのは無意味」という話ではありません。
極端に長い原材料リストや、分類名だけの表示に気づくには十分に役立ちます。

正確に言えばこうなります。
原材料の順序は「見る場所」であって、「判定の基準」ではない。
出発点としては有効で、結論を出す道具ではないということです。

なぜ結論に使えないのか。理由は3つあります。

ひとつ目。並んでいるのは、加工前の水分を含んだ重量です。
生の魚や生の肉は、7割前後が水分です。
だから重く、リストの上のほうに来やすくなります。

ところがドライフードは、製造の過程で水分の大部分が失われます。
乾燥後の実質的な重量で比べると、順位が入れ替わることがあります。
並び順は、最終製品の中の比率ではありません。

ふたつ目。絶対量が開示されません。
AAFCO は、はっきりこう書いています(出典: What's in the Ingredients List?|AAFCO)。

"The absolute amount of each ingredient is not quantified in the ingredient list."

(訳)原材料リストの中で、各原材料の絶対量は数量化されていない。

1位と2位の差が「50%と49%」なのか「50%と3%」なのかは分かりません。
順序は差の大きさを何も語らないということです。

みっつ目。品質や等級は書けません。
原材料名に品質やグレードを表す表現を入れることは認められていません。
ブランド名を使うこともできません。

AAFCO も、原材料名は定義された名称を勝手に言い換えられないとしています。
つまり原材料欄は「何が入っているか」の欄であって、「どれくらい良いものか」の欄ではないということです。

成分欄は、なぜ「以上」と「以下」で書かれているのか

原材料欄の隣に、成分の欄があります。
ここも読み方が決まっています(出典: 成分(保証分析値)について|ペットフード公正取引協議会)。

項目 書き方
たんぱく質・脂質 重量百分比で「以上」
粗繊維・灰分・水分 重量百分比で「以下」

つまり成分欄の数字は、確定値ではありません。
保証する範囲を示したものです。
「10.0%以上」と書いてあれば、実測はそれ以上ということになります。

表記の細かい決まりもあります。
「粗たんぱく質」「粗脂肪」「粗灰分」は、「粗」を外して書くこともできます。
いっぽう「粗繊維」の「粗」は外せません。

この「粗」は、英語の crude にあたる語です。
分析の方法に由来する言葉で、粗悪という意味ではありません。
ここも誤解されやすい場所です。

原材料欄そのものの実践的な読み方は、別記事にまとめています。
無添加キャットフードの原材料|チェックすべき5つのポイント をご覧ください。
この記事は順序ルールの限界を扱い、そちらは原材料欄の中身の見方を扱います。


⑥ 賞味期限・原産国・事業者名 — そして、ラベルの外側

加工場で魚を下処理する手元
加工場での作業。どこで加工したかが「原産国」を決める

賞味期限は「保存条件つきの約束」である

賞味期限は、品質が切れる日付ではありません。
規約の定義はこうです(出典: 賞味期限について|ペットフード公正取引協議会)。

「常温・未開封など、定められた方法で保管した場合に、すべての品質を保つと認められる期間」

条件が先にあって、期間があとに来ています。
保存方法とセットでしか意味を持たない数字だということです。
開封してしまえば、その前提は消えます。

表示の細かい決まりも押さえておきましょう。
年月までは必須で、日は任意です。
だから「2027.03」とだけ書かれていても、不備ではありません。

保管方法の表示についても例外があります。
缶詰とレトルトパウチは、保管方法の表示を省略できます。
保存方法が書かれていない=手を抜いている、とは限らないということです。

なお、月を英単語だけで表記することは認められていません。
期限は、日本語で読める形で書かれることになっています。

原産国は「最終の加工工程を完了した国」

原産国の定義も、直感とは少しずれます。
原材料が獲れた国ではありません。
最終の加工工程を完了した国です。

さらに、何が「加工工程」に当たるかも定められています。
包装や詰め合わせは、実質的な変更をもたらさない行為なので、最終加工工程には含まれません。
海外で作ったものを日本で袋詰めしても、原産国は日本になりません。

日本で最終加工を終えた製品は、「国産」と表示することができます。
これは正式な表示のひとつです。
ただし原材料がすべて国産という意味ではない点には注意してください。

事業者名は、種別とセットで書かれている

最後の行に、事業者の名前と住所があります。
ここも書き方が決まっています。
製造業者・輸入業者・販売業者のどれかを記載したうえで、氏名または名称と住所を書きます。

つまり、その会社が何をした会社かが分かるようになっています。
「販売者」とだけ書いてあれば、製造は別の会社です。
製造者と販売者が違うのは、めずらしいことではありません。

世界の選定ガイドラインは、ラベルの外側を見ろと言っている

ここで、この記事でいちばん意外な事実に戻ります。
WSAVA の選定ガイドラインは、8つのチェック項目からなります。
そのうち原材料表示に触れるものは、1つもありません。

ブランドについて確認すること ラベルについて確認すること
資格のある栄養学者を雇用しているか 栄養充足の記載が、給与試験と配合のどちらによるか
誰がレシピを設計したか カロリーが明記されているか
適合をデータベース計算で判断しているか、完成品の化学分析で確認しているか すぐ問い合わせできる連絡先があるか
査読付きジャーナルに掲載された研究があるか 自社製造(Made by)か、委託・販売のみ(Made for / Distributed by)か

読者が最も時間をかけている作業は、原材料欄を睨むことでしょう。
ところが、世界の獣医栄養の選定ガイドラインはそれを求めていません。
見ろと言っているのは、誰が作ったのか・どう検証したのかという「外側」のほうです。

この非対称は、原材料を見るなという意味ではありません。
順番の話です。
原材料欄は、選び方の最後のほうにあるということになります。

事業者名の行は、この「外側」への入口です。
会社名が分かれば、連絡先も、自社製造かどうかも調べられます。
いちばん地味な行が、いちばん深いところへつながっています。


子猫に避けたい成分と、「無添加」という言葉の限界

法令が「猫用に禁止」としている物質は、1つだけ

避けるべき成分のリストは、ネット上にたくさんあります。
そのうち法令が猫用に名指しで禁じているものは1つです。
愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令に、次の条文があります。

「プロピレングリコールは、猫用の販売用ペットフードには用いてはならない。」

出典は ペットフード安全法 基準・規格等|環境省 です。
条文の原本は 愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令|e-Gov法令検索 で読めます。

この条文で重要なのは、対象が限定されている点です。
禁止されているのは「猫用」だけで、犬用には同じ規定がありません。
日本の制度は、この物質について犬と猫を別の動物として扱っています。

裏を返せば、ネット上の「NG成分リスト」の大半は、法的な禁止ではありません。
使ってよいが上限がある、という物質のほうがずっと多いのです。
禁止と上限は、まったく別の話です。

上限値のある添加物と、その計算ルール

上限値が定められている添加物は、次のとおりです。

物質 上限 対象
エトキシキン・BHA・BHT 合計150 μg/g 以下 犬用・猫用とも
エトキシキン(単独) 75 μg/g 以下 犬用のみ
亜硝酸ナトリウム 100 μg/g 以下 犬用・猫用とも

この数字には、計算のルールが付いています。
含有量は、ペットフードの水分含有量を10%に換算して算出します。
水分の多いウェットフードと、少ないドライフードを同じ土俵に載せるためです。

つまり上限値は、製品そのままの濃度ではありません。
換算したうえでの数値です。
ここを知らないと、数字の意味を読み違えます。

「使ってよい添加物のリスト」は存在しない

意外に思われるかもしれません。
日本のペットフードには、使用できる添加物の指定リストがありません(出典: 添加物について|ペットフード公正取引協議会)。

では何を根拠に使っているのか。
飼料添加物、食品添加物、AAFCO や FEDIAF の指定などを参考にし、事業者の責任で使うという制度です。
禁止と上限だけが法令で決まっている、という形になっています。

なお、抗生物質と抗菌剤は使用できません。
この点ははっきりしています。
制度は「原則自由・一部禁止」の設計だということです。

「無添加」と書くには、条件がある

「無添加」という言葉には、表示のための条件があります(出典: 不当表示について|ペットフード公正取引協議会)。
単に「無添加」とだけ書くことは認められていません。

  • 何が無添加なのか、原材料名等を明確に併記すること
  • 添加物以外の原材料なら、すべての製造工程で一切使用していないことが確認できること
  • 添加物なら、加工助剤・キャリーオーバー・栄養強化目的のものまで含めて一切使用していないこと

この条件は、読み手にとっても有用です。
「無添加」の横に何も書かれていなければ、条件を満たしていない可能性があります。
逆に「着色料無添加」と書いてあれば、対象は着色料だけだと分かります。

つまり「無添加」は、安全性を保証する語ではありません。
「何を使っていないか」を読むための語です。
書かれていない対象については、何も述べていないのと同じです。

「ナチュラル」「ネーチャー」も、条件つきの語です。
原則として、化学的合成物と着色料を一切使用していないものに限られます。

例外もあります。
総合栄養食などでは、栄養バランス上欠かせないビタミン類・ミネラル類・アミノ酸類のみに化学的合成物を使う場合が認められます。
ただし条件が付きます。

  • その旨を「ナチュラル」の表示の近くに、4分の1以上のフォントサイズで明瞭に併記すること
  • 500g以下の容器は6ポイント以上、500g超の容器は8ポイント以上の文字であること
  • 油脂の酸化防止に、エトキシキン・BHA・BHT を一切使用していないこと

これらは、印象だけで買ってしまうことを防ぐための決まりです。
制度は言葉の使用を禁じているのではありません。
使うなら、根拠を同じ面に書けと求めているということです。

「無添加」という言葉そのものの受け取り方については、別記事で扱っています。
無添加キャットフードの落とし穴|総合ガイド をご覧ください。
この記事が扱ったのは、あくまで規約が定める表示の条件のほうです。


このチェックリストを、私たち自身の商品に当ててみる

真空パックされた季節のお魚
このチェックリストを、自分たちの商品に当ててみる

最初に書きます — 目的表示がありません

ここまで「目的表示を見なさい」と書いてきました。
その基準を、自分たちの商品にも当てなければ筋が通りません。
結論を先に書きます。

NICO-LS(ニコルス)のパッケージには、目的表示の記載がありません。
総合栄養食とも、間食とも、その他の目的食とも書かれていません。
したがって、この商品を子猫の主食として位置づけることはできません。

これは書きにくい事実です。
それでも、この記事の主張と矛盾させるわけにはいきません。
目的表示のない商品は、主食の候補から外す。私たち自身の商品も同じ扱いです。

記事の前半で、制度の差分に触れました。
目的表示は、法令ではなく公正競争規約の側にしかない項目です。
だから、目的表示のない商品が現実に存在しうるという話でした。

位置づけをはっきりさせます。
成長期に必要な栄養は、成長段階に対応した総合栄養食で満たしてください。
そこは動かさないでいただきたい部分です。

私たちの商品は、その土台の上に置く一皿です。
WSAVA が「補完的(complementary)」と呼ぶものと同じ位置になります。
目安は、1日の食事全体の10%以内です。

与える量については、主食のパッケージの給与量表示を基準にしてください。
そのうえで、かかりつけの獣医師の指示を優先してください。
本記事では、量そのものの計算には踏み込みません。

書ける事実だけを並べる

目的表示がない以上、栄養設計の話はできません。
できるのは、パッケージと商品ページで確認できる事実を並べることだけです。

  • 三重県熊野灘産の国産天然魚を使用
  • 水揚げから12時間以内に真空パック(上限としての時間)
  • 水を加えない無加水調理と、加熱加圧調理
  • 保存料・着色料・香料・増粘剤 不使用
  • 未開封・常温で12か月
  • 製造元は㈱ゲイト(三重県熊野市二木島町530-3)
  • 栄養成分表示(100gあたり)エネルギー86kcal/たんぱく質17.4g/脂質1.8g/炭水化物0g/ナトリウム172mg

最後の行について、ひとつ断っておきます。
これは食品表示法の形式による栄養成分表示であって、ペットフードの成分の欄とは別の書式です。
記事の前半で説明した「以上」「以下」の表記とは、別のものだとお考えください。

「不使用」の4項目についても、条件どおりの書き方をしています。
規約は何が無添加なのかを明確に併記することを求めていました。
だから「無添加」とだけ書かず、対象を4つ挙げています。

不利なことも、先に書いておきます

保存料を使っていないことは、差別化にはなりません。
真空パックして加熱加圧する製品では、もともと保存料を使わないのが普通だからです。
公正取引協議会も、この点を強調して優位に見せる表示を認めていません。

もうひとつあります。
原材料が「季節のお魚」であるということは、どの魚が入っているかを特定できないということでもあります。
すでに特定の魚にアレルギーがある猫では、これはリスクの側に働きます。

保存の面でも、責任の一部が買う側に移ります。
未開封で12か月もつのは、密封して加熱しているからです。
開封した時点で、その前提はなくなります。

子猫に出すときに、この記事で扱わないこと

魚という素材そのものの安全性は、この記事の範囲外です。
何か月から与えてよいのか、骨をどう扱うのか。
これらはラベルの読み方とは別の話題なので、ここでは扱いません。

水を加えない調理法については、別記事で説明しています。
無加水調理のキャットフードとは|水を足さない理由 をご覧ください。
ラベルが良くても食べないことがある、という話は 猫が「おいしい」と感じる3つの基準 にまとめています。

産地と工程を自分の目で確かめたい方へ。
【切り身&小魚】2種類セット
三重県熊野灘で獲れた国産天然魚を、水を加えずに炊き上げたウェットフードです。
製造は三重県熊野市二木島町。産地と加工場所を公開しています。

※このパッケージには目的表示の記載がないため、主食にはできません。成長段階に対応した総合栄養食を土台にしたうえで、1日の食事の10%以内におさまる一皿としてご検討ください。


よくある質問

Q1. 「総合栄養食」と書いてあれば、どれを選んでも同じですか

同じではありません。
対応する成長段階が違えば、栄養設計そのものが違います。
子猫なら「幼猫期/成長期(グロース)」か「全成長段階」を探してください。

数字でも差が出ています。
AAFCO の成長・繁殖期の基準は乾物中たんぱく質30%以上、成猫の維持期は26%以上です。
「総合栄養食」の4文字だけでは、そこまで分かりません。

Q2. 「分析試験」と「給与試験」は、どちらが良いのですか

どちらが上とは、今回参照したどの資料にも書かれていません。
給与試験は「実際に食べさせた」という追加の情報を持ちます。
それは事実です。

ただし WSAVA が問うているのは、方式そのものではありません。
基準への適合を計算で判断しているのか、完成品の分析で確認しているのかという品質管理の粒度のほうです。
2語だけで優劣は決められない、というのが結論です。

Q3. 原材料の最初に魚と書いてあれば、たんぱく質が多いということですか

そうとは限りません。
原材料の順序は、加工前の水分を含んだ重量で並んでいます。
生の魚は水分が多いため、リストの上位に来やすくなります。

乾燥を伴う製造では、実質的な重量で順位が入れ替わることがあります。
さらに、各原材料の絶対量はリストに数量化されていません。
順序は出発点であって、判定の基準ではありません。

Q4. 「無添加」と書いてあるフードは安全ですか

「無添加」は、安全性を証明する語ではありません。
規約が求めているのは、何が無添加なのかを明確に併記することです。
書かれていない対象については、何も述べていないのと同じになります。

読み方としては、「無添加」の横の言葉を見てください。
そこに書かれた対象だけが、使っていないと言われている範囲です。
言葉そのものの扱いは 無添加キャットフードの落とし穴|総合ガイド で詳しく扱っています。

Q5. 子猫のフードで、法律が禁止している成分はありますか

省令が名指しで禁じているのは、プロピレングリコールです。
「猫用の販売用ペットフードには用いてはならない」と定められています。
これは子猫に限らず、猫用すべてに及びます。

上限値があるのは別の物質です。
エトキシキン・BHA・BHT が合計150μg/g、亜硝酸ナトリウムが100μg/g です。
エトキシキン単独の75μg/g という別枠は、犬用のみに設けられています。

Q6. 「ホリスティック」「プレミアム」と書いてあれば良いものですか

どちらも、表示のルールが定められていない言葉です。
WSAVA は、こうした規制されていない語は栄養面の評価にほとんど実用的な価値がないとしています。
判断材料には使えません。

先に読むべきなのは、ルールのある語のほうです。
目的表示、成長段階、証明方法、原産国。
これらは、書き方が制度で決められています。

Q7. 目的表示が書かれていない商品を見つけたら、どうすればいいですか

主食の候補からは外してください。
目的表示は公正競争規約の側の項目で、ペットフード安全法の5項目には入っていません。
だから、記載のない商品が存在しうる仕組みになっています。

記載がないことは、その商品が悪いという意味ではありません。
主食として位置づける根拠がない、という意味です。
主食は目的表示と成長段階のあるもので組み、残りは1日の10%以内に収めてください。

Q8. 賞味期限に日付がなく「年月」だけですが、問題ありませんか

問題ありません。
規約では年月までが必須で、日は任意とされています。
「年月」だけの表示は、規約どおりの書き方です。

保管方法が書かれていない場合も同様です。
缶詰とレトルトパウチは、保管方法の表示を省略できます。
容器の種類で説明がつくことがある、と覚えておいてください。


まとめ — 3つに整理する

① 見るのは6か所。原材料欄は5番目でよい
目的表示と成長段階の2つで、棚の大半は判定が終わります。

② 「総合栄養食」は等級ではなく、手続きの記録
証明方法・届け出・会員資格という条件を通ったという記録です。だから「あるかないか」で役割を切り分けます。

③ 原材料の順序は、出発点であって判定基準ではない
加工前の水分込み重量で並び、絶対量は開示されず、分類表示で書き方が3通りに分かれます。

この記事が渡したかったのは、おすすめ商品のリストではありません。
どの主張に一次資料があり、どの主張に無いのかという区別です。
「最初の3成分を見よ」という助言には、一次資料が見つかりませんでした。
「分析試験か給与試験か」という表示には、規約の条文がありました。

そして、その基準は自分たちにも当てはまります。
私たちの商品には目的表示がなく、主食にはできません。
だから、この記事では主食としての勧め方をしていません。

NICO-LS(ニコルス)のお魚ごはん

三重県熊野灘で獲れた国産天然魚を、水揚げから12時間以内に真空パック。
水を加えない無加水調理と加熱加圧調理で仕上げています。
製造は三重県熊野市二木島町。原材料は「季節のお魚」のみで、産地と工程を公開しています。

初回限定おためしセット(¥980) — 2種類を少量から試せます。

※このパッケージには目的表示の記載がないため、主食にはできません。主食は成長段階に対応した総合栄養食で組んだうえで、1日の食事の10%以内におさまる一皿としてご検討ください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としています。子猫の体調や食事に不安がある場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。

監修:NICO-LS開発チーム